UPS(無停電電源装置)を導入しているユーザー企業の中で、83%が実際にUPSの作動を経験するが、定期点検を行っているのは39%にすぎない――。UPS大手のエーピーシー・ジャパン(APC Japan)は11月28日、同社ユーザーへのアンケート結果を公開した。

 アンケートは、同社製品購入者2万2000人に対してWeb上で実施。10月2日~15日の間に1500人の有効回答を得た。1500人のうち、ユーザー企業は83.93%(1259人)。個人ユーザー7.93%、その他組織・団体が6.07%などである。ユーザー企業に焦点を当てると、「これまでUPSの作動経験があったか」という問への回答は、「あった」が83.01%に対して「ない」が13.58%。全体がそれぞれ83.16%、13.57%なので、ほぼ分布は同じだった。

 UPSが作動した原因は、送電ルートによるものが53.26%(全体では54.00%)、ビル内電力供給によるものが32.44%(同31.30%)と8割以上が外部要因だ。人為的ミスは6.27%(同6.60%)にすぎない。

 これだけUPSを使わざるを得ない経験があれば、いざというときにきちんと動作するよう定期点検を行っていてもよさそうなものだが、61.44%が「定期点検を行っていない」と回答した(全体では62.23%)。さすがにUPSの作動経験がある方が、ない企業に比べて定期点検をしている率は高い。それでも、作動経験ありのうち、定期点検しているのは40.33%と半数以下。作動経験無しだと定期点検をしているのは23.53%と、4分の1にも満たない。

 定期点検を行っていると回答したユーザー企業でも、「年に1回」が12.13%(同12.17%)でトップ。必ずしも十分とは言えないことが明らかになった。

 調査ではこのほか、UPSの保有台数や設置状況、寿命はどの程度と考えているかなども聞いた。個人ユーザーなどを含めた全体の調査結果を、APC JapanのWebサイトで公開している。