「ノートン・アンチボット」の画面例
「ノートン・アンチボット」の画面例
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 シマンテックは2007年11月28日、個人向けボット対策ソフト「ノートン・アンチボット」を発売した。ウイルス定義ファイル(パターンファイル)を使わずに、プログラムの振る舞いから悪質なプログラムかどうかを判断することが特徴。未知のボットなども検出・駆除できるという。価格は3990円(有効期限1年、ダウンロード版)。

 ボットとは、ユーザーに気付かれることなくパソコンを乗っ取り、攻撃者が自由に操作できるようにしてしまう悪質なプログラム(ウイルス)のこと。ボットに乗っ取られたパソコンで構成されるネットワーク「ボットネット」を使った迷惑メール送信やDDoS(分散サービス妨害)攻撃などが後を絶たず、2004年ごろから大きな問題となっている。

 ボットの駆除が難しい理由の一つは、新種や亜種(変種)が次々と出現するため。対策ソフトメーカーの対応が間に合わず、対策ソフトを使っていても検出できない場合が少なくない。そういったボットを検出および駆除するためのソフトがノートン・アンチボットだという。同ソフトなら、通常の対策ソフトでは検出できないボットも駆除できるとする。

 理由は、「定義ファイルを使わずに、プログラムの振る舞いからボットかどうかを判断する」(シマンテック シニアリージョナルプロダクトマーケティングマネージャの風間彩氏)ため。同社の既存製品である「ノートン・インターネットセキュリティ」などにも、振る舞いから検出する機能があるが、「検出のルールなどが異なる」(同氏)ため、ノートン・インターネットセキュリティでは検出できないボットを、ノートン・アンチボットでは検出できるとする。

 ただし、ノートン・アンチボットは他のセキュリティ対策ソフトを補完するための製品であり、「単体では、パソコンを十分に守れない」(風間氏)。ノートン・インターネットセキュリティのように、定義ファイルを使用する対策ソフトと組み合わせることで効果が上がるという。同社製品に限らず、他社のほとんどのセキュリティ製品と併用可能。

 ノートン・アンチボットは1ライセンスで3台のパソコンにインストール可能。同製品はダウンロード版のみ。現在のところ、パッケージ版を販売する予定はない。同社のオンラインストアにおける販売価格は、ノートン・アンチボットは3990円(1年間有効)。ノートン・インターネットセキュリティ2008とのセット販売価格は1万290円(有効期間は1年)。