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 「生産革新活動の成果は着実に出ている」。本日開催した「IT Service Forum 2007」の講演会に登場したNECソフトの国嶋矩彦社長は自信を見せる。NECソフトはCS(顧客満足度)ナンバーワン企業を目指し、ソフトウエアの生産性と品質向上に向けた生産革新プロジェクトを推進中だ。

 具体的な活動として、バランススコアカード(BSC)の導入やプロジェクトマネジメントオフィス(PMO)の設置、小グループによる現場の改善活動などがある。BSCの導入により、「従来は予算の進捗状況を確認するだけだったのが、経営戦略を実現するための具体的な実施策などについて、深くて実りある議論ができるようになった」と国嶋社長は言う。PMOについては、全社と部門の2階層でプロジェクトをレビューする制度により、リスクを早期に発見できるようになったという。

 業務効率を高めるための現場の改善活動の状況については、国嶋社長自らが現場を巡回。改善活動が根付くよう、事例発表会を定期的に開催したり、成果をあげた活動を表彰したりするなどしている。

 このほかソフト開発効率や品質を底上げするため、開発フレームワークの徹底活用にも力を入れている。2007年10月時点で主要プロジェクトでのフレームワーク利用率は100%に到達。2006年1月時点では23%だった。

 一連の生産革新プロジェクトにより、問題プロジェクトは着実に減っているという。「2003年下期の問題プロジェクトによる不採算損失額を1とすると、2007年上期は0.11になった」と国嶋社長は手応えを感じている。さらに「社外の顧客満足度調査でも以前は6、7位だったのが、2、3位と上位に名を連ねることができるようになった」とする。

 生産革新プロジェクトのような取り組みは、社員からするとやらされ感もある。この点について国嶋社長は「仕方なくやっている社員がゼロということはないが、社内アンケートからは85%の社員が生産革新プロジェクトに理解をしてくれている」と述べる。