楽天が11月24日に開催した「楽天テクノロジーカンファレンス2007」では、ネットワーク技術やデータセンターなど、同社が採用する基盤技術の概要を明らかにした。

 まず、ネットワークに関しては、2002年5月以来、データ・トラフィックが175Mビット/秒から8.6Gビット/秒まで、約50倍に増加したと紹介した。約1000台のネットワーク機器を基本的に「自前主義」で構成している。

 ネットワークにおける目玉の1つは、ダークファイバとWDM(波長分割多重)の採用である。これは、複数のデータセンターをつなぐのに利用しているという。以前は広域LANを使っていたが、コストの面からダークファイバとWDMの組み合わせに切り替えた。遅延時間が小さくなったのもメリットだと紹介した。

 もう1つの特徴は、ネットワークの冗長化のために「BGP4」プロトコルを採用したことである。BGP4は、インターネット接続事業者(ISP)が管理するネットワーク(AS)間の経路を決定するプロトコル。一般にはISPが採用しているものであり、一般企業が採用するケースは珍しいが、信頼性を確保するために採用することにしたのだという。同社がAS番号を取得したのは03年8月、04年8月にはプロバイダ非依存のナンバリングを実施した。

 今後の課題としては、IPv6に向けた調査や、同社の国際展開への対応などを挙げた。

 また、データセンターは現在3カ所で稼働している。ラック本数で1000~1200、サーバー数では6000台規模になっていると紹介した。アクセス件数は1日あたり15万件、1分間あたり最大700件のアクセスが集中することもあるという。今後の課題としては、地方へのデータセンターの新設を含めたBCP(事業継続計画)の立案、CO2 削減など環境対策を挙げている。