Outlookで使用できる「階層型アドレス帳」
Outlookで使用できる「階層型アドレス帳」
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 マイクロソフトは11月26日,Exchange Serverにおいて日本企業の実態に合った「階層型アドレス帳」が利用できる追加機能を,2007年12月から提供すると発表した。ユーザーはOutlookの「アドレス帳」で,「事業本部-部-課」といった組織階層に従って他のユーザーを検索できるようになる。

 Exchange Serverがユーザー・ディレクトリとして使用しているActive Directoryには,ユーザーをグループ化して管理する「組織単位(OU)」という機能があるが,OUはユーザー権限を「一般社員」「管理職」「システム管理者」といったユーザー種別に応じて管理したりするのに使われるのが一般的で,ユーザーの所属する組織を階層的に管理するのには使われていなかった。これは,OUがそもそもユーザーの階層管理を目的に設計されていなかったことや,Active Directoryの管理ツールに,OUを階層的に管理する機能が無かったことなどに起因する。

 今回マイクロソフトは,Active Directoryのスキーマを拡張して,「階層型アドレス帳」を実現した。拡張したスキーマに,「ユーザーの所属する組織」や「組織ごとの階層関係」「組織内でのユーザー序列」などの属性情報を登録できるようにする。こうすることで,「Outlookのアドレス帳で,ユーザーが所属する部署を部門の階層に従って選択すると,ユーザーの一覧が役職や年齢順で表示されるようになる」(マイクロソフト)という。マイクロソフトでは,これらの属性情報を管理する専用のツールも用意し,CSV形式のファイルを使ったバッチ処理なども実現した。

 マイクロソフトのビジネス&マーケティング担当執行役常務である佐分利ユージン氏は「階層型アドレス帳は,日本のユーザーからのフィードバックに基づいて拡張した機能」と語る。当初は,階層型アドレス帳は,Exchange Serverがあらかじめ拡張したActive Directoryのスキーマをさらに拡張するため,Exchange ServerとOutlookの組み合わせでしか利用できない。ただし同社では「SharePointやOffice Communicatorなどでも,階層型アドレス帳を使えるようにしたい」と述べている。