NECは,IAサーバーの仮想化に向けた製品,サービスを強化する。異なる仮想サーバー・ソフトをまとめて管理できるツール「WebSAM SigmaSystemCenter 2.0」を2008年1月に出荷。2008年度第1四半期には,仮想サーバー・ソフトをあらかじめ組み込んだブレード・サーバーを出荷する。

 WebSAM SigmaSystemCenter 2.0を使うことで,「VMware Infrastructure 3」および「Citrix XenServer Enterprise Edition」で構築した仮想環境をまとめて管理できる。両ソフトを導入した物理サーバーと,その上で稼働する仮想サーバーの状況を,一つのコンソールに表示。「異なる仮想サーバーに対して,その作成や業務の割り当て,起動/停止といった操作性を統一できる」(NEC クライアント・サーバ販売推進本部 主任 谷長薫氏)。仮想サーバーのオンライン移動機能(VMotion/Live Migration)なども,コンソールから実行できる。

 WebSAM SigmaSystemCenter 2.0は,VMware上の仮想サーバーに対しては,VMwareが用意する管理コンソール「VMware VirtualCenter」を経由してやり取りする。一方,XenServer上の仮想サーバーに対しては,XenServerを経由してやり取りする。

 同社では今後,サーバー製品と仮想環境の組み合わせを緊密化させていく。背景には,「将来的に,仮想環境はサーバー基盤に入っていて当たり前のものになる。メーカーである強みを活かして,ハードウエアとソフトウエアをうまく組み合わせて提供していきたい」(NEC 第二コンピュータソフトウェア事業部 グループマネージャー 小池康夫氏)という考えがある。

 製品としては,仮想サーバー・ソフト「VMware ESX Server 3i」を組み込んだブレード・サーバー「Express5800/120Bb-d6」を,2008年度第1四半期に出荷する。サーバー本体にフラッシュ・メモリーを搭載し,そこにVMwareおよび仮想サーバーの定義を保管。サーバーを起動するだけで仮想環境が展開される。仮想サーバーを導入する手間が省けるし,フラッシュ・メモリーから起動するので,起動時間が短くて済む。2008年度第2四半期には,ラックマウント型サーバーにも同様の仕組みを用意する予定である。

 また,フォールト・トレラント・サーバー「Express5800/ft サーバ」でも,仮想サーバーを利用できるようにする。時期は2008年度上半期,対象の仮想サーバー・ソフトはVMwareである。