写真 SC07のクレイ・ブース
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写真2 08年3月までに投入する「XT-5」
写真2 08年3月までに投入する「XT-5」
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 米クレイは「SC07」でスーパーコンピュータの新製品「Cray XT5」をお披露目(写真1、2)。性能20ペタFLOPSへのロードマップを示した。SC07は米リノで11月13日から15日まで開催された、世界的なスパコンの展示会である。

 クレイは「XT5」をベースとして、システムの処理性能を現在の100テラFLOPS級から08年中に1ペタ(1000テラ)まで引き上げ。その後、次期モデルで10ペタ、20ペタFLOPSを実現する。20ペタ機は2011年ごろに実現する見通しだ。

 XT5はスカラー型のアーキテクチャーであり、ラック内のブレード単位で性能を拡張する。ブレードには米AMDのOpteronを搭載しており、1ラックの最大構成の性能は7テラFLOPS。1ペタFLOPSのシステムは08年中に、約150ラックで構築できるようになる。20ペタ機も基本的に同様のスカラー型で構築する。

 11月6日に発表したXT5は08年3月までに出荷を開始する予定。製品として「XT5」と「XT5h」の2系列で構成する。XT5hのhはハイブリッドを意味しており、Opteronの標準ブレードに加えて、他のアーキテクチャーのブレードを搭載できるのが特徴。具体的には、128スレッドを同時に実行可能な独自プロセサ搭載の「XMTブレード」、ユーザー独自の処理をプログラミングできるLSIである「FPGA」のブレード「XR1ブレード」、専用アクセラレータを利用できる「SIOブレード」である。07年末に投入予定のベクトル機「X2」のブレードを別ラックに搭載し、連携させることもできる。