同社のエンタープライズサーチ製品の位置付け
同社のエンタープライズサーチ製品の位置付け
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Search Serverを利用している画面。右端に表示されている「TechNet」の検索結果は、検索フェデレーション機能により表示している
Search Serverを利用している画面。右端に表示されている「TechNet」の検索結果は、検索フェデレーション機能により表示している
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デモを披露した昇塚淑子氏
デモを披露した昇塚淑子氏
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 マイクロソフトは2007年11月19日、企業内情報検索(エンタープライズサーチ)分野の戦略に関する説明会を開催した。米国で発表した企業内検索ソフトの新製品「Search Server 2008」を部門内での検索向けとし、これを全社に拡張する際に使える製品として「SharePoint Server 2007」を位置付ける。無償で配布する「Search Server 2008 Express」でユーザーのすそ野を広げ、上位製品への乗り換えを促進する狙いだ。

 Search Server 2008は、2008年上半期に出荷される予定の製品。既に英語版のリリース候補版(RC)を公開している。日本語版のRCの提供予定はないが、英語版で日本語の文書も検索できるという。

 機能的には、SharePoint Server 2007が備える機能群のうち、検索とコラボレーションの部分を搭載する。SharePoint Serverに比べてインストールや管理の作業を簡略化したほか、ほかの検索エンジンを柔軟に追加できる「検索フェデレーション」機能を搭載することが特徴。設定ファイルを記述すれば、ユーザーが入力したキーワードをインターネット検索エンジンなどほかの検索サービスに送り、検索結果をSearch Serverの画面内に表示できる。技術的には、検索エンジンを外部のシステムから呼び出して利用するための仕組み「OpenSearch」を利用。OpenSearch 1.0/1.1に対応している検索エンジンであれば追加できる。この仕組みは現在のところSearch Server特有の機能で、SharePoint Server 2007には2008年の前半に搭載予定だという。

 WordやExcelなど、同社のOffice文書は検索可能。さらに、「IFilter」と呼ばれる拡張機能に対応したソフトであれば、他社製ソフトでも検索できる。PDFファイルや一太郎ファイルなどがこれに該当する。データベースに格納されたレコード情報は標準では検索できないが、別途定義ファイルを追加すれば検索可能になるという。

 Search Serverの有償版と無償版の差は、負荷分散ができるかどうか。有償版は複数台のサーバーに分散して配置できるが、無償版は1台のサーバーの中ですべての機能を動かすことしかできない。「部門内で手軽に評価するのに無償版を使ってもらい、実際に運用する際には有償版を利用してほしい」(インフォメーションワーカービジネス本部 IWソリューションマーケティンググループの昇塚淑子エグゼクティブプロダクトマネージャ)。さらに、SharePoint Server 2007へのアップグレードパスも用意される予定だ。