Safari上で再生されているGyaOの映画予告編コンテンツ
Safari上で再生されているGyaOの映画予告編コンテンツ
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 USENは11月19日,無料動画配信サービス「GyaO」でマイクロソフトのWebブラウザ・プラグイン「Silverlight」を使った映画予告編の配信を開始した。従来のWindowsだけでなく,Mac OS Xでも動画を閲覧できる。同社では2008年以降に,広告収入を基盤とする主力の動画配信でもSilverlightを採用する方針。

 USENのGyaOは,広告収入を基盤とした無料動画配信サービスで,コンテンツの著作権保護に「Windows Media DRM」を採用している。そのため,Windows上で稼働するInternet Explorer(IE)でなければ,GyaOのコンテンツを視聴できなかった。SilverlightはWindowsのIEだけでなく,FirefoxやMac OS XのSafariにも対応しており,IE以外のブラウザでもコンテンツを視聴できる(写真)。

 USENでは今回,DRMを使用していない映画予告編の配信にSilverlightを採用している。マイクロソフトは2008年上期にDRMを実装した「Silverlight 1.1」を出荷する予定であり,USENではこのSilverlight 1.1を使って映画予告編以外のコンテンツも配信する予定。Silverlight 1.1が登場することで,GyaOの本編がWindows以外のプラットフォームで視聴可能になる。

 同社GyaO編成局WEB制作部長の高野輝次氏は「GyaO開始当初から『Macで見られないのか』という問い合わせが多かった。まずは一部のコンテンツをSilverlightで視聴できるようにするが,なるべく速やかに,多くのコンテンツをSilverlightに対応させたい」と述べている。

 同社によれば,従来からGyaOをFlashやQuick Timeなどに対応させることも検討していたが,DRMの有無などが足かせになっていた。また「既に数十万タイトルがWindows Media Video(WMV)形式でデータベース化されており,これをH.264などに変換するのは容易ではない」(高野部長)ことから,既存のWMV形式の動画データベースを利用できるSilverlightの採用を決めたという。