写真1 HDDを除いた情報通信事業を説明する篠本グループ長&CEO
写真1 HDDを除いた情報通信事業を説明する篠本グループ長&CEO
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写真2 09年度に売上2兆円、利益率7%を目指す。紫はハード事業、黄緑はソフト事業を示す
写真2 09年度に売上2兆円、利益率7%を目指す。紫はハード事業、黄緑はソフト事業を示す
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 日立製作所は11月19日、ハードディスク・ドライブ(HDD)事業を除いたグループ情報・通信事業についての方針説明会を開催した。日立の代表執行役執行役副社長の篠本学情報・通信グループ長&CEOは、「あくまでも高収益にこだわり、09年度に売上2兆円、営業利益率7%を目指す」と宣言した(写真1)。

 日立がHDDを除いた事業の説明会を開催する背景には、HDD事業の日立グローバルストレージテクノロジーズの不振がある。同社の赤字によって、情報・通信事業の06年度は売上高が前期比5%増の2兆4722億円だが、営業利益は同29%減の603億円という結果だった。

 HDD事業を除くと、06年度の売上実績は1兆9041億円、営業利益が1040億円。07年度はビジネスPCの生産撤退を主要因として、売上高が1兆8491億円まで縮小する見通しで、営業利益は1198億円と上向く予想だ。これに対して、09年度に売上高で約1500億円、利益で約200億円上乗せする考えを示した(写真2)。

 売上増のエンジンは、同社が「高付加価値サービス事業」とする(1)コンサルティング、(2)アウトソーシング、(3)統合サポートサービス、(4)SaaSなどの新分野--である。これらで06年度の4200億円の売上高を09年度には5100億円にするという。このほか、ストレージ・システムやブレード・サーバー、指静脈認証といったハードウエアを中心としたサービス事業の売上増も見込んでおり、ストレージやコンサルティングでは海外事業も強化する。利益率の面では、特に運用管理ミドルウエアの「JP1」を擁するソフトウエア事業に期待しており、09年度の時点で利益率10%以上を目指すという。

 なお、今回の対象外としたHDD事業については言及がなく、立て直し策や売却といった方針の説明はなかった。