写真●PC6532の一つ前のバージョンである「PC6530」。ソフトウエア・アップデートでPC6532相当の機能に対応させられる。
写真●PC6532の一つ前のバージョンである「PC6530」。ソフトウエア・アップデートでPC6532相当の機能に対応させられる。
[画像のクリックで拡大表示]

 英ピコチップ・デザインズは11月19日,第2世代のモバイルWiMAXである「Wave2」に対応したフェムトセルのリファレンス・デザイン「PC6532」を発表した。製品は,2008年第2四半期に開発者向けに発売し,2008年第3四半期に正式に発売する。Wave2には,MIMO(multiple input multiple output)への対応などが盛り込まれている。Wave2は,日本でのモバイルWiMAXサービスで採用される見込みだ。

 フェムトセルは家庭などに超小型基地局を設置して作る半径数十m程度の通話エリア。基地局に光ファイバやADSLなどのブロードバンド回線に接続して利用する。モバイルWiMAX対応のフェムトセルを設置すれば,ユーザー自身が簡単に屋内をカバー・エリアにできる。これに加え,家庭内のユーザーがフェムトセル基地局を占有できるため,高いスループットを得られる。MIMOに対応しない第1世代の製品(写真)で,「すでに6.7Mビット/秒のスループットまで検証している」(ピコチップのピーター・クレイドンCOO)という。

 ピコチップが発表したPC6532は,同社製の制御チップ「PC205」やソフトウエアが搭載され,これだけでモバイルWiMAX対応のフェムトセル基地局として機能するボードである。基地局メーカーはこれを利用して,フェムトセル基地局を開発する。ピコチップは,PC6532を基地局メーカーに売り込み,同社のソリューションを採用するよう働きかける。日本では半導体商社のPALTEKがピコチップ製品を取り扱う。

 ピコチップのクレイドンCOOは「我々のソリューションでは,物理層とMAC層の主要な制御機能を一つのチップで構成できる。小型化や低消費電力化が容易なうえ,部品コストを安くできる」と自社の優位性をアピールした。

[発表資料(PDF)へ]