写真●ソフトバンク社長の孫正義氏(左)とイー・アクセス会長兼イー・モバイル会長の千本倖生氏(右)
写真●ソフトバンク社長の孫正義氏(左)とイー・アクセス会長兼イー・モバイル会長の千本倖生氏(右)
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 ソフトバンク社長の孫正義氏とイー・アクセス会長兼イー・モバイル会長の千本倖生氏は11月16日,2.5GHz帯事業者の選定を総務省主導で進めていることについて疑問を呈した。現在,総務省と電波監理審議会で議論しているが,「密室で決めるのではなく,申請した事業者が公平かつオープンに議論できる場を作ってほしい」(千本氏)と総務省に要望したという。

 この要望の背景には,11月14日に「総務省がKDDI陣営に免許を与える方針とした」との一部報道がある。「報道が出たのは,KDDI陣営とウィルコムのヒアリングが終わる前だった。ボクシングで言えば,リングに上がる前に勝敗が決まっているようなものだ」(孫氏)。総務省はその報道を否定したが,孫氏は「私としては総務省の説明は素直に信じたいが,ちゃんとプロセスを大切にしてほしい」として,千本氏とともにオープンな議論を求めることにしたという。

 孫氏と千本氏は,オープンな議論をするためにモバイルWiMAXについての事業計画と申請内容を公開することを検討しているとした。他事業者に対しても,公開を呼びかけていくという。千本氏は「事業計画をオープンにして各社の計画を比較評価し,そのうえで選ばれないというのならば納得できる。電波は何千億円という価値のある国民共有の財産だ。それを与えるのだから,そのプロセスは透明性を確保するべきだ」とした。