「経営面では世界の大手SNSとも肩を並べる」ミクシィの笠原健治代表取締役社長
「経営面では世界の大手SNSとも肩を並べる」ミクシィの笠原健治代表取締役社長
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月間ページビューでは全世界のSNSで第10位という
月間ページビューでは全世界のSNSで第10位という
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今後APIを公開することで、mixi上で動作するアプリケーションを第三者が作れるようになる
今後APIを公開することで、mixi上で動作するアプリケーションを第三者が作れるようになる
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 ミクシィの笠原健治代表取締役社長は2007年11月15日、東京都内で開催中のイベント「Web2.0 EXPO Tokyo」で講演した。テーマは「SNSの現状と今後の可能性」。同社が提供する「mixi」を含め、世界各国で急成長したソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の置かれている状況を分析し、今後ミクシィがどのような戦略でサービスを展開していくのかを語った。

 まず、mixiの利用状況を紹介。「現在の会員数は約1200万で、アクティブ率(3日以内にサービスを使うユーザーの割合)は約60%」。1カ月当たりのページビューは約123億で、内訳はパソコンからの利用が約59億、携帯電話からが約63億。この数字を世界の大手SNSと比べると、「残念ながら月間のユニークユーザー数では、mixiはトップ10に入らない。ただ月間ページビューでは10位」という。一方、経営面で比較すると、「最近米マイクロソフトと提携したことで話題の米フェースブックは、07年度の売り上げ目標が1.5億ドルと聞く。ミクシィは同年度に97億円を見込む。世界的に見て、ミクシィはライバルに差を付けられているわけではない」とした。

 次に、今後サービスをどう展開させていくのかのヒントを披露した。「キーワードは、APIの公開と文化の情報化の2つ」だと言う。注目はAPI公開で、ミクシィが提供する内部機能に外部のサービスからでもアクセス可能にする。Webサービス業界では、世界的な大きなトレンドになりつつある。ミクシィは今後、登録ユーザーの情報などを利用するAPIを外部に提供し、他社が自社サービスで活用できるようにする。

 「それだけにとどまらず、ミクシィ内部で独自のサービスを動作させられるように、APIを含めて開発環境も整備したい」方針。他社やユーザーが、自ら考案したサービスを開発すれば、それをmixi上で提供できるようになる。「APIを公開するのは、ユーザーが大量になりニーズが多様化する一方だから。人気の高い日記に匹敵する、斬新で支持されるアプリケーションの登場を期待している」。同社は、米グーグルが11月1日に発表したSNS向けの共通API 「OpenSocial」に賛同している。ユーザーがアプリケーション開発を快適に進められるように、環境作りに積極的に取り組む考えを明らかにした。