写真●開発予定の自動販売機
写真●開発予定の自動販売機
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 自動販売機運営の業界団体,日本自動販売協会(JAMA)は11月16日,会員12社が参加する「JAMA 電子マネー化共同プロジェクト」が,NECなどと共同で,複数の電子マネーに対応可能な販売機を開発,運営することを発表した。Felicaを使った電子マネーを複数利用可能な自動販売機を共同で開発・購入(写真)。電子マネーの決済情報を管理するセンターも共同で開設する。2008年春に実機の設置を開始する。

 現在の飲料自動販売機の多くは,1種類の電子マネーしか利用できない。「確認した範囲では,最大でも2種類までしか対応できていない」(プロジェクト事務局)。そのため,JR駅構内ではSuicaに対応させるなど,自販機の設置場所によって使用可能な電子マネーを変える必要性があり,設置コストがかさんでいた。しかも乱立する電子マネーのうち1種類しか利用できず,売り上げへの効果も限られていた。

 そこでJAMA加盟企業である,アペックス,伊藤園,大蔵屋商事,キリンビバレッジなど12社が,プロジェクトを4月に設立。今回,NECと,自動販売機大手であるサンデンがそれに参画することを決めた。サークルKサンクスやローソンで実績があるNECのマルチ・リーダー・ライターを,サンデンの自販機に組み込む。最大約8種類の電子マネーを利用できるようにする。プロジェクトに参加する12社が管理する自販機は全国に約130万台で,シェアの半分を占める。

 またNECは,自販機から集めた決済情報を電子マネー事業者に送るセンター業務もサービスとして提供する。今後は,自販機から収集可能な在庫情報などを使った業務の効率化や,自販機に搭載した液晶パネルへの情報配信などにも取り組む計画である。