米Qualcommは米国時間11月14日,フィンランドのNokiaが欧州におけるQualcommの知的財産権について制限を求めていた申し立てを,オランダのハーグ地方裁判所が棄却したと発表した。

 Nokiaは2007年3月19日,Qualcommの欧州特許が失効しているとして,ハーグ地方裁判所とドイツのマンハイム地方裁判所に確認を求める申し立てを行っていた(関連記事: Nokia,QUALCOMMの欧州特許失効をドイツとオランダで申し立て)。Qualcommと米Texas Instruments(TI)は2000年にライセンス契約を結び,TIは欧州連合市場にチップ・セットを供給している。Nokiaは,これらのチップ・セットについてQualcommの特許権が消尽していると主張していた。

 ハーグ地方裁判所は,Nokiaの訴えを棄却する理由として,同裁判所がオランダ以外の欧州諸国における司法権を持たないことを挙げた。また,Nokiaの申し立てが明確性を欠き,対象となる特定の特許やライセンス契約について,裁判所が判決を下すために必要となる情報が十分に提供されなかったとしている。

 今回の判決に先立ち,マンハイム地方裁判所も10月23日,NokiaによるQualcommの特許消尽の確認を求める同様の訴えを棄却している。

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