米Sun Microsystemsは米国時間11月14日,オープンソースの仮想化プラットフォーム・ソフトウエア「Sun xVM」を無償提供すると発表した。大規模なデータセンター環境で仮想化サーバーを構築し,Windows,Linux,SolarisをゲストOSとして運用できる。

 当初Sunが提供するxVMブランドのソフトウエアは,集中管理コンソール「Sun xVM Ops Center」とXen hypervisorベースの仮想化サーバー「Sun xVM Server」の2種類。Sunは,開発コミュニティ「OpenxVM」も運営し,データセンター向け仮想化/管理技術の開発を支援していく。

 xVM Ops Centerを利用すると,物理サーバーなど実体のあるIT機器だけでなく,仮想化したITリソースをすべて集中管理することが可能になる。xVM Serverは,Windows/Linux/SolarisをゲストOS化し,自己修復機能「Predictive Self-Healing」やファイル・システム「Solaris Zettabyte File System(ZFS)」をSolaris以外のOSでも使えるようにする。

 xVMはSPARCプロセサだけでなく,x86/x64アーキテクチャのプロセサに対応しており,米Dellや富士通,米Hewlett-Packard(HP),米IBMのサーバーでも利用できる。既に米Intel,米AMD,スウェーデンMySQL,米Quest Software,米Red Hat,米Symantecなどのハードウエア/ソフトウエア/OSベンダーがxVMへの対応を表明している。

 特にRed HatとSunは,仮想化技術の相互接続性確保,顧客サポート協力など関係強化を図る。また,クロスプラットフォーム仮想化管理に関するオープンソース・コミュニティlibvirtの活動を支援し,両社の仮想化プラットフォームでそれぞれの管理ツールをシームレスに利用できるようにする。

 米メディア(InfoWorld)によると,SunはxVM Ops Centerにソフトウエア・ライセンスGPLv3を適用し,2007年12月に提供を開始する。一方,xVM Serverのリリースは2008年春の予定という。

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■変更履歴
公開当初は「Xen hyperviser」と表記していましたが、正しくは「Xen hypervisor」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/08/08 23:45]