写真1 自社開発のSPARCを搭載したブレード型スパコン
写真1 自社開発のSPARCを搭載したブレード型スパコン
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写真2 SC07の会場に詰める富士通の伊東副社長
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 富士通はスーパーコンピュータの世界的な展示会SC07において、国が進める次世代スパコン開発プロジェクトのベースとなるシステムを初公開した(写真1)。コードネームがJupiterだった、自社開発の「SPARC64 VII」プロセサを搭載する。

 システム名称は現時点で決まっていないが「New HPC Server」として展示しており、08年度後半に投入する見通し。富士通のスパコン新製品は02年の「HPC2500」以来。SC07の会場に詰める富士通の伊東千秋副社長は「今回の製品は2010年代に向けた、富士通のスパコンに対するコミットメントを示すもの。今後も必要な投資は惜しまない」(写真2)と意気込む。

 システムの特徴は、プロセサの処理能力とメモリーアクセスのバランスをとったこと。クワッドコアのプロセサとメモリーを制御する高性能なチップセットを自社で開発し、搭載する。これによって、40ギガFLOPSの性能のプロセサが、大容量のメモリーに遅延なくアクセスできるという。接続できるブレードのノード数に現時点で上限は設けていない。

 次世代スパコンは国家プロジェクトとして進められており、2012年の稼働を予定している。富士通は次期以降のシステムをプロジェクトに応用する考えだ。プロジェクトは10ペタ・クラスの性能を目指しており、富士通がスカラー型、NEC/日立連合がベクトル型、それぞれのシステム設計を担当することが決まっている。