欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)はベルギーで現地時間11月13日に,米Googleによる米DoubleClick買収計画について,欧州合併規制に基づく本格的な調査を開始すると発表した。ECの第1次調査で,両社の合併がオンライン広告市場の競争に懸念をもたらす可能性があるとみたためである。

 ECは今後90営業日間に,同合併が欧州経済領域の市場競争を著しく阻害するか調査し,2008年4月2日に判断を下す。具体的には,合併しない場合にDoubleClickがGoogleの有力なライバルに成長するかどうか,また合併した場合に両社のオンライン広告サービスと広告配信技術の統合が欧州における競合社の事業を制限し,消費者に損害を与えるかどうかを調べる。

 Googleは今年4月13日,DoubleClickを31億ドルで買収する計画を発表した(関連記事:Googleが過去最大の企業買収,DoubleClickを31億ドルで)。その翌日,同様にDoubleClick買収を検討していたとされるMicrosoftが米国政府に対し,「Googleによるオンライン広告市場の独占につながる」として買収を阻止するよう公に訴えた(関連記事:Microsoft,GoogleによるDoubleClick買収の阻止を米国政府に要求)。また複数の団体が同買収計画への異議を申し立てた(関連記事:GoogleのDoubleClick買収計画にプライバシの懸念,3団体がFTCに申し立て)。9月には米連邦議会が調査に乗り出し,上院司法委員会で聴聞会が開かれている(関連記事:GoogleのDoubleClick買収計画,聴聞会でGoogleとMicrosoftが意見表明)。

[発表資料へ]