写真●データセンターのイメージ
写真●データセンターのイメージ
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 サン・マイクロシステムズ,インターネットイニシアティブ(IIJ),ベリングポイントなど12団体は,2010年4月に鉱山採掘跡地を利用したデータセンター(写真)を構築することを目指す「地底空間トレステッド・エコ・データセンター・プロジェクト」を11月14日に発足させた。

 地中に設備を構築することによりセキュリティを高めるほか,水冷方式の採用などで消費電力を低減する。地中にデータセンターを設置する取り組みは,日本では初めて。主なターゲットは,官公庁や地方自治体,民間企業。

 構築予定地は非公開だが,送電効率を考慮して発電所からも近い鉱山採掘跡地にある,地下100メートルの岩盤上。地質などを調査し,地震による影響が小さいことは確認済みという。地中に,サンのコンテナ型データセンター設備「プロジェクト・ブラックボックス」を埋め込む。第一期工事では,ブラックボックス30台を設置する予定である。ニーズに応じてブラックボックスを追加し,設備を増強する。

 データセンターは直流電源を使うほか,地下水を使った水冷技術を冷却設備に採用する。空調による冷却では,IT機器1kWを冷却するのに0.7kWの電力が必要だったが,水冷では0.4kwで済むという。データセンターそのものは地下にあるため,地上の温度変化の影響が小さく,空調を利用しなくても年間を通じて15度前後の室温が確保できる,と見る。通常のデータセンターと比較すると,消費電力を50%削減できるという。

 主にサンのUNIXサーバーとSolaris 10を標準採用する予定。ユーティリティ・コンピューティング技術を使い,サーバー性能とディスク容量を必要なだけ提供する。第一期工事では,約450億円を投じる。このうちサーバーなど内部設備には200億円をかける。実際にデータセンターを運営してサービスを提供するのは,今後設立する事業会社である。

 プロジェクトに参加するのは,サン,IIJ,ベリングポイントのほか,伊藤忠テクノソリューションズ,SAPジャパン,新日鉄ソリューションズ,ソフトバンクテレコム,日本AMD,富士ゼロックス,NTTコミュニケーションズ,プラネット,中央大学。国土交通省,経済産業省,総務省,環境省がアドバイザリーメンバーとして参画する。

■変更履歴
データセンターのイメージを追加しました。[2007/11/14 15:35]