中国のリサーチ会社である易観国際(Analysis International)の最新レポートによると、中国の2007年第3四半期のオンライン旅行予約サイト市場は前期比で8%減となる6億7500万元(約100億6000万円、1元=14.9円で計算)となった。前期比減となったのは、5月の労働節や10月の国慶節など、中国における1週間規模の大型連休がこの期間はなかったため。

 サイト別では3億2700万元(約48億7000万円)の売上をあげた携程旅行網(英語名ctrip)が、49%のシェアを占めてトップ。以下、芒果網(13%)、e龍(12%)と続く。携程旅行網とe龍は中国国内航空券やホテルの予約業務を得意としており、一方芒果網は中国国内のパッケージツアーを得意としている。

 シェア拡大のために、どの旅行予約サイトもサービス向上に力を入れている。携程旅行網は2006年末から2007年初めにかけて、上海と北京で旅行社を開いたほか、6月には北京発の海外ツアーも開始。中国国外旅行にも力をいれている。さらにオンライン上においては中国語版MSNと提携。MSN旅行チャンネルも開設した。ライバルのe龍も同様に著名サイトとの提携を行うなど、サービス競争を繰り広げている。

 リサーチ会社であるiReserchが発表した9月のオンライン旅行予約サイトに関するレポートによると、携程旅行網もe龍も売上の半分以上がホテルの予約となっているものの、2006年から2007年にかけては、売り上げに占める航空券販売の占める割合が高くなってきている。中国は、広大な国土のなかに大都市が点々と散在しており、都市間の移動には日本以上に航空機が使われている。こういった事情から、航空券のディスカウント販売が旅行サイトの主要業務の一つとなりつつあるのだ。実際、トップシェアの携程旅行網は、月間100万枚を越えるディスカウントチケットを販売しているという。さらに、2006年末に航空チケットの電子化が始まったことで、紙のチケットをユーザーに渡す必要がなくなったことも、オンライン旅行予約サイトにとって追い風になっている。