スーパーコンピュータの世界的な展示会「SC07」の会場において米国時間11月12日、稼働中のスーパーコンピュータの性能を集計したTOP500の最新ランクが発表された()。これによると首位は前回と同じく、米IBMが米エネルギー省ローレンス・リバモア国立研究所に納入したBlueGene/Lだ。性能を前回の280.6テラから478.2テラFLOPSまで大幅に上乗せした。

表 SC07の会場で発表したTOP500のトップ10
表 SC07の会場で発表したTOP500のトップ10

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写真 SC07の会場に展示したBlueGene/L
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 SC07の会場に展示したBlueGene/Lには、「World's Fastest」のステッカーが貼られていた(写真)。BlueGeneのマーケティング担当ディレクタのハーバート・シュルツ氏は、「今回のTOP500で、BlueGeneは性能が高いだけでなく、アーキテクチャ的にスケーラビリティがあることが証明された。次世代のBlueGene/Pも2位に入っており、ペタFLOPSの競争になってもパフォーマンスを保っていける」と自信を見せる。BlueGene/Pは性能が3ペタFLOPSのシステムを提供できる状態にあるという。

 今回、2位から5位まですべてのシステムが初登場だった。米SGIのAltixが3位を確保したほか、米ヒューレット・パッカード(HP)がブレード・サーバーのシステムで4位と5位に食い込んだ。国別では、トップ10の開発ベンダーがすべて米国。日本ベンダーでは、NECが米サン・マイクロシステムズと共同で開発したSun Fireベースの「TSUBAME」が16位に、過去は首位に君臨していたNECの地球シミュレータは20位から30位まで順位を落とした。

 今回のTOP500はIBMのシステムが500テラFLOPSに迫るなど、例年にも増して性能の向上が著しい。前回の07年6月の時点では、100テラFLOPSの性能があれば3位にランクできたが、今回は7位とハードルが上がっている。これらの性能ランクはTOP500プロジェクトが集計しており、年2回結果を公表している。