写真●2008年3月期中間決算を発表するNTT持ち株会社の三浦惺社長
写真●2008年3月期中間決算を発表するNTT持ち株会社の三浦惺社長
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 NTT持ち株会社は11月9日,2008年3月期中間決算(4月~9月)が減収減益になったと発表した。

 中間期の連結決算は,売上高が前年同期比1.2%減の5兆1876億5200万円,営業利益が同18.4%減の5639億8800万円,純利益が同33.0%減の1951億7000万円だった。減収減益となったのは,グループの稼ぎ頭であるNTTドコモの業績が不振だったことや,東西地域会社で旧型の電話交換機の見直しに伴い営業費用が増加したことなどを理由としている。

 また,通期の連結業績予想を修正。売上高が当初よりも1000億円減の10兆7000億円,営業利益が同2100億円増の1兆3200億円と減収増益の見通しを立てた。これは,テレホンカード未使用分の将来使用見積額の引き当てやNTTコミュニケーションズとNTTドコモ,NTT西日本の計画の見直しを反映した結果である。

2000万は現実的な努力目標

 中間決算と同時に,2010年度の光回線の目標契約数を2000万回線に修正したことを発表した。これまでは3000万回線を目標に掲げていた。2007年度の光回線の契約数は,前年度よりも340万増加して947万回線に達する見通し。2008年度以後,2010年度までの3年間でこれを倍増させる計画を立てている。

 NTT持ち株会社の三浦惺社長(写真)は,当初の目標を3000万回線としていたことについて「当時はブロードバンドの発展もわずかで競争状態も進展していなかった。3000万は具体的に積み上げた数字ではなく,加入電話6000万回線の半分をビジョンとして示した」と振り返る。今回,目標を2000万回線に設定したことについては「これまでの3年間の実績と今後のCATVを含めた競争状況を踏まえて現実的に需要予測を行った」と,修正するに至った背景を説明した。

 三浦社長は,2010年度に光2000万回線の目標を達成するために2008年3月から商用サービスを開始するNGNの展開に注力することを強調。「NGNのさまざまなアプリの提供を本格的に実施し,グループ一丸となって目標を達成していきたい」と抱負を語った。

NGNの新サービス開発のためにフォーラム発足へ

 三浦社長は,NGN上で新たなサービスをパートナー企業と協力して立ち上げることを目的に「次世代サービス共創フォーラム」(仮称)を,来春にも設立することを明らかにした。

 フォーラムは,ISP(インターネット接続事業者)やASP(application service provider)事業者など幅広い企業の参画を募る。パートナーによるNGN向けの新サービス開発を,NTTが支援する。具体的な支援内容は,セミナー開催や展示スペースなどによる情報提供,営業や技術のコンサルティング,NTTの研究開発の成果の活用など。場合によっては,フォーラム参画企業に対して,サービス開始のために出資も行うという。

 三浦社長は,「我々だけではなく,他のプロバイダと“共創”しながらサービスを作っていく。フォーラムの成果を生かして日本だけでなく,海外にも展開したい」と,狙いを語った。

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