写真●ジャパネットたかたの高田明社長(左)と,米Microsoftのスティーブ・バルマーCEO
写真●ジャパネットたかたの高田明社長(左)と,米Microsoftのスティーブ・バルマーCEO
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 マイクロソフトは11月9日,高齢者のIT活用を支援する施策「アクティブシニア推進計画」を発表した。高齢者にIT活用のメリットを知ってもらう活動を強化するために,ジャパネットたかたの高田明社長などが加わる助言組織などを設置した。米Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは「高齢者の知恵をコンピュータを通じて社会に広めることを支援するという,重要な社会貢献活動だ」と強調している。

 マイクロソフトでは,全国のシニア支援団体や自治体,NPO,パソコン教室などと協力して,高齢者層向けのセミナーを2008年12月までに全国120カ所で開催することで,高齢者に対するIT活用のメリットを訴えていく。また,高齢者がパソコンを購入したり利用したりする上で相談できる「PCの先生」を育成するために,同社の認定資格制度「ICTマスター」を設ける。2010年6月末までにICTマスターを3000人養成する。そのための学習施設である「ICTスクール」も,全国に1500拠点設けるという。

 実際にパソコンを使い出した高齢者が,パソコンに関する疑問を気軽にしたり,他の高齢者と交流したりできるように,高齢者向けのポータル・サイト「シニアポータルよつば倶楽部」を設ける。

 マイクロソフトは高齢者向けの取り組みを強化するに当たって,助言組織である「アクティブシニア推進計画アドバイザリボード」を設けた。独立行政法人メディア教育開発センターの清水康敬理事長を座長に,ジャパネットたかたの高田明社長や,漫才師の若井ぼん氏らが加わった。

 ジャパネットたかたの高田社長(写真)は「私も59歳になったが,モノを売るだけでは,無機質でつまらないと感じるようになっている。お客さんに幸せをどう伝えていくかが,最近の私のテーマだ。モノは,人の生活を幸せにできる力を持っている。当社からカラオケ・セットを購入されたお客さんがカラオケのお陰で舅さんと仲良くなったという話や,デジタル・カメラで写真の楽しさを知った小児ガン患者のお子さんが,ガンと闘っていく勇気を得たという話を聞くと,本当にやりがいを感じる。パソコンでも,同じことができると思う。パソコンや携帯電話は,若者だけのものではない。パソコンの良さを高齢者に伝えていくことは,私の人生の目的に合致する」と,意気込みを述べている。