アダルト動画を“えさ”に「Googleパック」をインストールさせようとするWebサイト
アダルト動画を“えさ”に「Googleパック」をインストールさせようとするWebサイト
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 セキュリティベンダーの米サンベルトソフトウエアは2007年11月8日(米国時間)、アダルト動画を視聴できるとしてユーザーを誘導し、「Googleパック」をインストールさせようとするWebサイトを報告した。サイト運営者の狙いは、Googleパックの紹介手数料(アフィリエイト報酬)だと考えられる。

 Googleパックとは、米グーグルが提供するソフトウエア集。同社や他社が無償で配布するソフトウエアを集め、一括してインストールできるようにしたもの。デスクトップ検索機能などを備える「Googleデスクトップ」や画像管理ソフト「Picasa」、Webブラウザー「Firefox」、音楽や動画を再生するための「RealPlayer」、オフィスソフト「StarSuite」が含まれる。

 同社では、Googleパックの紹介プログラム(アフィリエイトプログラム)を用意。同プログラムでは、あるWebサイトを経由してユーザーがGoogleパックをインストールした場合、Googleパックを紹介したそのサイト(紹介者)に報酬を支払う。

 今回確認されたWebサイトは、この紹介プログラムを悪用する。Webページのタイトルは「Adult Video Clip」。このページにアクセスすると、動画プレーヤーのような画面が表示される。その直後、画面上に「Googleコーデックがインストールされていません!Googleパックをインストールしてください!」といった内容の英文が表示される。さらに、「Goolge Video Player Error」というポップアップウィンドウが現れて、Googleパックのインストールページへ誘導しようとする(図)。

 しかしながら、これらのエラーメッセージはすべて偽物。Googleパックをインストールさせるために表示している虚偽のメッセージである。実際には、Googleパックをインストールしても動画を視聴できない。

 ウイルス(悪質なプログラム)をアダルト動画やコーデックなどに見せかける手口はたびたび確認されているが、今回のように、正規のプログラムに見せかけるのは珍しい。

 これについてサンベルトソフトウエアでは、「ウイルスに感染させるよりも、Googleパックをインストールさせる方がお金になると考えたためだろう」と推測。こういったサイトの運営者の目的はお金なので、ウイルスをインストールさせる方がお金になるなら、そちらに切り替えるだろうとみている。

 サンベルトソフトウエアでは、同サイトをグーグルに報告済み。こういったケースについてグーグルの対応はとても早いので、同サイトはすぐに紹介プログラムから外されるだろうと結んでいる。