写真●日清食品 宣伝部主任の東鶴千代氏
写真●日清食品 宣伝部主任の東鶴千代氏

 食品会社がジャパニメーションの名手と組み、コンテンツ制作をするということで話題となった日清食品 カップヌードルの「FREEDOM PROJECT」。2006年4月から新たなブランド構築を目指して広告展開を開始し、来年最終ステージを迎える。

 商品の広告であると同時にOVA(original video animation)作品としても販売する、プロダクト・プレイスメントの新たな試みについて、日清食品 宣伝部主任 東鶴千代氏が、11月7日に東京ミッドタウンで開催された「NET Marketing Forum Fall 2007」で戦略と効果について語った。

 1971年に発売して以来、変わらぬ安心感と、時代を捉えたメッセージを発信する刺激を持つロングセラーブランドとして、カップヌードルを位置づけてきた。だが、食が飽和状態の現代、生まれた時からカップヌードルが存在する若年層へのエントリーをどうするかという課題が浮上した。控えめで変化のない印象を払拭する目的で「戦略顧客に原体験を創出する」ために「FREEDOM PROJECT」を立ち上げたという。

 このプロジェクトは、「Hungry?」などでカンヌ広告賞を受賞してきた日清食品としても新たな挑戦と位置づけ、現代にマッチした新しい広告モデルを提示したいと、海外でも著名な日本のアーティストとして大友克洋×宇多田ヒカルを軸に、コンテンツを制作して、CM放映とOVA販売をする手法をとった。

 クロスメディア展開にあたっては、ウェブサイトを情報発信基地と位置づけ、リアル広告とコンテンツをつなぐ中心的な役割を持たせた。TVCMそのものは、15秒・30秒という枠があるため、DVDへの導線確保を含めて、軌道に乗るまでさまざまな試行錯誤を繰り返したという。