米下院外交委員会の委員長を務めるTom Lantos氏は米国時間11月6日,米Yahoo!が中国政府にユーザーの個人情報を提供した問題をめぐる公聴会において,Yahoo!が議会に誤った情報を提供したとして同社を非難する声明を発表した。

 同委員会の要請を受け,公聴会にはYahoo!の最高経営責任者(CEO)Jerry Yang氏と同社の法律顧問であるMichael Callahan氏が出席していた。

 3年前,中国政府は地元のジャーナリストに対して天安門事件の記念日に関連するイベントの報道を禁じたメッセージを発表した。中国人ジャーナリストのShi Tao氏は,Yahoo!の電子メール・アカウントを使ってこのメッセージを国外の人権擁護団体に転送した。Yahoo! Chinaが中国政府の要請を受けて情報を提供したことによりShi Tao氏の身元が判明し,同氏の逮捕につながった。

 Lantos氏は,Callahan氏が2006年2月に召集された公聴会において,この問題について誤った情報を提供したと主張。Callahan氏は「中国側がユーザーの情報提供を求めた時点で,捜査の目的を知らなかった」と証言していた。

 Lantos氏は,委員会の調査によりCallahan氏は個人的に関連事実を知らなかった可能性もあるが,中国政府側から送られた書類などにより他のメンバーが調査の目的を知っていたと確認できたとしている。Yahoo!側は,この偽証について内部の情報伝達の行き違いだと説明してるが,Callahan氏は提供した情報の誤りを知った後も委員会に対して,提供した情報の修正を試みなかったと指摘している。

 米メディアの報道(internetnews.com)によると,Lantos氏に促されてYang氏は委員会と公聴会に出席していたShi Tao氏の家族に謝罪したという。

[発表資料へ]