写真●増田寛也総務大臣(右から3番目)らが出席した新世代ネットワーク推進フォーラムの設立総会
写真●増田寛也総務大臣(右から3番目)らが出席した新世代ネットワーク推進フォーラムの設立総会
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 総務省は11月6日,インターネットの課題を克服した新たなネットワークの実現を目指して「新世代ネットワーク推進フォーラム」を設立した。

 新世代ネットワークは,産・官・学が協力して,既存技術にとらわれないまったく新しい技術や設計思想で開発する。現在,NTTをはじめとする大手通信事業者が構築を進めるNGN(次世代ネットワーク)はインターネットと同じIPをベースとしているが,これに対して新世代ネットワークはIPを使わずに,まったく新しいネットワーク・プロトコルを開発する。実現時期は2015年から2020年ごろの見通しだという。

 新世代ネットワーク推進フォーラムには,計166会員が参画。フォーラムの傘下に,国際連携について学術的なアドバイスなどを行う「新世代ネットワーク推進委員会」と,新世代ネットの実現に向けて具体的な活動を展開する四つのワーキンググループを設けた。ワーキンググループは,新世代ネットの方針やロードマップを検討する「研究開発戦略ワーキンググループ」,社会と経済の側面から新世代ネットを検討する「アセスメントワーキンググループ」,実証実験などを推進する「テストベッドネットワーク推進ワーキンググループ」,情報発信や啓発活動を行う「企画推進ワーキンググループ」──である。

 この日開かれた設立総会で,増田寛也総務大臣は「既存技術の延長ではないまったく新しいネットワークを構築するという大いなる挑戦を,産・官・学の人材を結集したオールジャパン体制で成功に導く」と述べた。また,フォーラムの副会長に任命されたNTT持ち株会社の宇治則孝副社長は,「来年サービスを開始する予定のNGNの構築に全社を挙げて取り組んでいるところだが,NGNのさらに10年先を見越した新世代ネットワークの展開に,NTTも貢献したい」と,新世代ネットに対する意気込みを語った。

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