米シスコシステムズが10月30日に公開した新戦略拠点であるインド・バンガロールの「シスコ・グローバライザーション・センター・イースト」。初日のオープンニング・セレモニーで,テレプレゼンス・システムの新コンセプトモデルを披露した(関連記事)。

 二日目のプレス・カンファレンスでも前日に引き続き新テレプレゼンスが使われた。ジョン・チェンバーズ会長兼CEOやウィム・エルフリンクCGO(チーフ・グローバライザーション・オフィサー)とサンノゼ本社の幹部社員が同じ壇上にいるかのようにやりとりした(写真1写真2)。カンファレンス後には,その舞台裏が一部公開された。

写真1●新テレプレゼンス・システムを使い会話
写真1●新テレプレゼンス・システムを使い会話
インド・バンガロールの会場で,ジョン・チェンバーズ会長兼CEO(写真左)が,米国サンノゼの幹部とやりとり。写真右二人は壇上ではなく,米国サンノゼから出演している。
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写真2●シスコ・イーストの責任者でチーフ・グローバライゼーション・オフィサーのウィム・エルフリンク氏(写真後方左)と並んで質問に答える米国サンノゼ本社の幹部
写真2●シスコ・イーストの責任者でチーフ・グローバライゼーション・オフィサーのウィム・エルフリンク氏(写真後方左)と並んで質問に答える米国サンノゼ本社の幹部
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プロジェクタと透明のスクリーンを使用

 実際に舞台に上ってみると,壇上には大きな“穴”が開いていた。サンノゼ本社の幹部があたかも壇上にいるかのように見えた場所には,周囲より1メートルほど低い空間が設けられていた。その底にスクリーンが設置され(写真3),天井には米ヒューレット・パッカード製のプロジェクトが2台備え付けられていた(写真4)。このプロジェクタの映像をいったん底面のスクリーンに映し出し,さらに舞台上の透明のスクリーンに映すことで,壇上に人がいるように見せていた。

写真3●壇上に映写する仕組み
写真3●壇上に映写する仕組み
舞台底面にいったんプロジェクタの映像を写し,それを舞台上の透明のスクリーンに映し出す。
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写真4●舞台天井に取り付けられたプロジェクタ
写真4●舞台天井に取り付けられたプロジェクタ
米ヒューレット・パッカード製だった。
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写真5●舞台に立つ人物の立ち位置
写真5●舞台に立つ人物の立ち位置
この位置に立つことで,映像の中の人物と壇上の人物があたかも同じ空間に立っているかのように見える。
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 実際に舞台に上がる人物の立ち位置も決められていた。チェンバーズCEOやエルフリンクCGOが立っていたのは舞台正面から見て左側。ちょうどその場所に,立ち位置が示されていた(写真5)。テレプレゼンスは空間を共有するというコンセプトのビデオ会議システムである。現在同社が販売している「Cisco TelePresence」を利用するには,会議室の設備や照明に至るまで臨場感を出すための細かな設定が必要となる。今回の新テレプレゼンス・システムも同様である。

 インドのバンガロールと米国サンノゼを結ぶネットワークの帯域に関しては,同社説明員によると「Cisco TelePresenceと同等」だという。Cisco TelePresenceはHD(high definition)映像を使う場合,スクリーン1画面あたり5Mビット/秒以上の帯域を使用する。同社説明員によると今回のシステムは「5Mビット/秒」だという。