米Appleの携帯電話「iPhone」が,米Time誌の「Invention of the Year(今年の発明大賞)」に選ばれた。同誌記者のLev Grossman氏は,iPhoneを選出した主な理由として,デザイン性やタッチスクリーンを用いた操作性などを挙げている。

 オンライン版Timeに掲載の記事によると,Grossman氏はiPhoneについて「入力しづらい」「遅い」「価格が高すぎる」などさまざまな不満が寄せられていることを認識した上で,技術と同様にデザインを重視している点を評価した。

 また,「Appleはタッチスクリーンを発明したのではないが,タッチスクリーンを使ってまったく新しいタイプのインタフェースを創造した。ユーザーは,ほんとうに自分の手でアルバムの表紙をめくったり,写真を引き伸ばしているような感覚でデータを操作できる。これは,新たなコンピュータとの関わり方のひとつだ」と述べた。

 米国内のiPhone提供については米AT&Tが独占契約を結んでおり,それが批判の的になることもある。しかしGrossman氏は「多くの携帯電話は,キャリア側の都合が開発者の自由を奪っているが,AppleとAT&Tとの関係では,iPhoneが仕様の自由を与えられている。他の携帯電話メーカーも同様の自由を望んでうらやんでいる。つまり,iPhoneは携帯電話全般をさらなる革新に導くことになる」と擁護した。

 ちなみに米CNETの「今年の最も優れた技術製品」の最終選考にもiPhoneを含む3製品が残っており,おそらくiPhoneが選ばれる見込みだという。しかし,CNETのTom Krazit記者は「CNETはIT分野のメディアだが,Timeは一般誌だ。Timeはもっと広範なカテゴリに渡って検討したのだろうか」と疑問を呈している(CNETに掲載の記事)。