米Wall Street Journal(WSJ)紙は10月30日(米国時間),米Googleが「Google Phone」や「gPhone」と呼ばれる自社ブランド携帯電話機の計画を2週間以内に発表する方向で準備中と報じた(WSJ紙の掲載記事:Can Google-Powered Phones Connect With Carriers?)。gPhoneは,米Appleが過剰なほど宣伝して2007年にリリースしたスマートフォン「iPhone」と全く違い,完全にオープンなプラットフォームを採用しており,パソコンおよびWeb用と同様のアプリケーションおよびサービスを利用できる。

 これまでのgPhoneに関する報道と異なり,今回のWSJ紙の記事には「GoogleはgPhoneの製造と販売を直接行わず,携帯電話機メーカーが製造し,キャリアが販売していく。その代わり,Googleはこのオープン・プラットフォームで作動する大量な『高度なソフトウエアおよびサービス』を発表する」とあった。発表対象のアプリケーションとサービスとしては,Googleのインターネット検索サービスや「Gmail」「Google Maps」「YouTube」などの名前が挙がった。

 こうしたアプリケーション/サービスの一部は簡素化したモバイル版が用意されており,すでに現在スマートフォンで利用できるが,gPhoneの新プラットフォームでは新たなレベルのインテグレーションと機能が実現する。ところが,WSJ紙の記事はGoogleの推進するオープンな新プラットフォームそのものが最も革新的とした。この記事によると,同プラットフォームではサードパーティがgPhone用の追加機能を簡単に構築できるという。

 しかし,スマートフォン市場について理解していない人ですら,こうした機能追加の仕組みは米MicrosoftのWindows Mobileだけでなく,フィンランドNokiaや米Palm,カナダResearch in Motion(RIM)などの競合プラットフォームで提供済みだと知っている。Appleだけは当初iPhoneをサードパーティ開発者の手に触れさせない方針を選んだが,先ごろ「2008年中にiPhoneの少なくとも一部仕様を公開する」と発表した(関連記事:Apple,予想通りiPhoneの仕様を公開へ)。GoogleのgPhone発表計画がAppleの方針転換にどう影響したのかは不明だ。ただし,GoogleのCEOであるEric Schmidt氏は,Appleの取締役でもある(関連記事:Google会長兼CEOのSchmidt氏,Appleの取締役に)。