ターボリナックスは10月31日、同社のサーバーOS新版「Turbolinux 11 Server(11S)」を発表した。11月29日から出荷を開始する。

 森蔭政幸 事業推進本部長は11Sのターゲットとする市場を、「インターネットやWebといったエントリ・クラスのサーバー、中規模のアプライアンス・サーバー」と説明。こうした用途に向けた改良を施し、開発環境を整備したという。

 具体的な改良点の1つが、導入作業のシンプルさ。11Sのインストール用CDは1枚だけで、「ものの10分もあればインストールできる」(森蔭本部長)。加えて、PHPで開発したWebアプリケーションの実行を高速化する「Zend Core」や、開発や運用を支援するソフトウエア・フレームワーク「Zend Framework」などを搭載。「短期、高品質なアプリケーション開発を可能にする」(同)。

 セキュリティに関しては、「TOMOYO Linux」を標準搭載した。TOMOYO Linuxとは、NTTデータが開発しオープンソースとして公開している、セキュリティ強化のためのパッチやツール群の総称である。「TOMOYO Linuxの特徴は、セキュリティ・ポリシーの自動学習機能。運用していく過程でセキュリティの状態を学習し、ポリシーを最適な状態へ設定していける」(同)。

 11Sには今後、同社が10月23日に発表した米マイクロソフトとの提携成果も盛り込んでいく。Windows Serverと11Sが混在する環境で、一度のログイン作業で両者を利用可能にする「シングル・サインオン」用の機能を、共同で開発していくという。

 11Sの価格は、通常版が4万9350円、学生向けのアカデミック版が3万1500円、仮想マシン上のゲストOSとして動作させる「VM GuestOS Edition」が2万9400円(別途、通常版が必要)。