写真●NTTデータの山下徹代表取締役社長
写真●NTTデータの山下徹代表取締役社長
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 NTTデータは10月31日、2007年度(2008年3月期)中間期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比2.8%増の4661億円、営業利益は同0.3%増の376億円だった。金融分野の売り上げ増や、連結子会社の拡大が増収につながった。山下徹代表取締役社長は「5月に発表した中間期予想の売上高4600億円、営業利益350億円を予定通り達成できた」と胸を張った。

 金融分野は売上高が前年同期比11.6%増の1621億円。アウトソーシング・サービスの売り上げが伸張した。山下社長は「金融分野のIT投資は非常に活発であるため、今後もその傾向は続くと考えている。ただ当社のリソースにも限界があるため、このスピードで売り上げを伸ばすのは難しいだろう」と語った。

 一方、法人分野(金融業以外の一般企業)の売上高は前年同期比0.5%減、公共分野の売上高も同1.5%減だった。法人分野の売り上げに関しては、「当初今期に入る予定だった複数の案件が、前倒しで07年3月期に入ったことが影響した。分野としては好調という認識だ」(山下社長)。

 売り上げが拡大したにもかかわらず営業利益が微増に終わった理由は、受注損失引当金を51億円計上したためだ。昨年、公共分野で他ベンダーからリプレースした案件において「見積もりが甘くなってしまった部分があり、原価が膨らむことが確実になったものに関しては来年、再来年分まで今回計上した。進行基準の開始を見据えて、より"保守的"に対応した結果だ」(山下社長)という。なお、NTTデータが受注損失引当金を計上するのは今回が初めてである。

 NTTデータが今回発表した2008年3月期の業績目標は、売上高が前年比3.4%増の1兆800億円、営業利益が同5.3%増の950億円で、5月の2007年3月期決算の際に発表したものと同じだ。