米Microsoftは10月第4週終わりに,このところ起こっていたパソコンの自動アップデート機能が意図せず有効化してしまう不具合について,原因が同社のミスであると認めた。これらの不具合はいずれも,アップデートを自動適用しないよう設定されたWindowsシステムで,自動アップデート機能が勝手に有効化されてしまうというもの(関連記事:Windows Updateで発生している“自動再起動問題”)。MicrosoftがWindows Update(WU)関係で近ごろ多発した問題に対する非難を受け入れたのは,これが初めてである。

 直近のトラブルは,Windows XP/Windows Server 2003搭載システムから企業向けツールWindows Server Update Services(WSUS)経由でWUにアクセスすると,オプションのWindows Desktop Search(WDS)用アップデートの2007年2月版以降が自動適用されてしまうというものだった。MicrosoftのWSUS製品マネージャであるBobbie Harder氏は10月25日(米国時間)「少なくともこの意図しないアップデートは,すべて当社のミス」と説明した。社内でWDS用アップデートの分類方法を変更した際,全世界のWSUSに誤った設定を施し,Windows XP/Windows Server 2003搭載システムにアップデートをダウンロードして適用するよう指示してしまったという。

 Harder氏は,「運の悪いことに,このWDS用アップデートを変えたことで,繰り返し同じアップデート・パッケージを使うという判断がWSUSユーザーに予期せぬ結果をもたらした。つまり,限られた台数のマシンだけに最初のアップデート・パッケージ適用を許可したユーザーの多くが,火曜日版WDSを全部のマシンに自動適用してしまったのだ。というのも,適用対象拡大の影響があったうえ,WSUSは初期状態でアップデートを自動適用する設定になっているからである。この問題でユーザーの方々に迷惑をかけたことを心から後悔しており,影響を受けたすべてのお客様に謝罪します」と説明している。

 Harder氏はさらに,「Microsoftが一時的にWDSの提供を停止し,問題の修正に取り組む」とし,社内のアップデート提供プロセスを改善して,このようなミスが二度と発生しないようにするという。意図しないWDSダウンロードの影響を受けたユーザーと管理者は,アップデートをアンインストールできる。具体的なアンインストールの手順は,WSUSのブログに掲載してある。

 もっとも,冒頭で紹介したWUの問題は,これほどスムーズに解決していない。Microsoftは2007年9月,ユーザーのパソコンにインストールされていたWUを密かにアップデートしたことが露呈した。「アップデートの自動適用をすべて禁止する」と明示的に設定していたユーザーも,勝手にアップデートされたのだ。10月初めには,意図せず自動アップデートが作動するという報告が多数なされたにもかかわらず,Microsoftはユーザー側に原因があると断定した。最近になって,Microsoft製セキュリティ・ソフトウエア「OneCare」の自動アップデートの設定を変更する機能が批判されたが,Microsoftは「(変更機能は)仕様通りの動作」としている。