米スプリント・ネクステルのマサド・オルファット氏
米スプリント・ネクステルのマサド・オルファット氏
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モバイルWiMAXのロードマップ
モバイルWiMAXのロードマップ
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米スプリント・ネクステルが計画している2008年末時点におけるモバイルWiMAXのネットワーク網の設置状況
米スプリント・ネクステルが計画している2008年末時点におけるモバイルWiMAXのネットワーク網の設置状況
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 次世代の高速無線LAN規格「WiMAX」に対応する製品の普及と認定を目的としたNPO法人「WiMAXフォーラム」は2007年10月29日、「モバイルWiMAXのグローバル展開」をテーマにWiMAXの最新動向を伝えるセミナーを開催した。

 冒頭、インテル研究開発本部主幹研究員の庄納崇氏が登壇。庄納氏によると「現在WiMAXフォーラムに参加している企業は519社。2007年の目標だった500社を超えた」と言う。庄納氏は「モバイルWiMAX」のロードマップについて紹介した。

 モバイルWiMAXの規格は、通信速度が最高33Mbpsの「Mobile WiMAX Release 1.0」(通信規格はIEEE802.16e)がすでに策定済み。2008~2009年にかけて、通信速度が最高100Mbpsの「Mobile WiMAX Release 1.5」(通信規格はIEEE802.16e)、2010年には次世代のモバイルWiMAXに当たる「Mobile WiMAX Release 2.0」(通信規格はIEEE802.16m)の規格策定を予定しているという。

 続いて、米国でWiMAX技術を用いた初のモバイルブロードバンドネットワークの構築を進める大手通信事業者、米スプリント・ネクステルのマサド・オルファット氏が登壇。同社が手掛けるモバイルWiMAXの事業計画について説明した。

 マサド・オルファット氏によると、WiMAXについては約2年半前から綿密に調査してきたという。「WiMAXは、従来の第三世代(3G)の通信技術に比べて、3倍のパフォーマンスを実現しながらコストは3分の1で済む。デバイスが豊富で、市場展開の時期が他の次世代通信技術よりも適していたため、事業化を決定した」のだと説明。「ワシントンDC、バルチモア、シカゴでの実施に始まり、2008年末までに全米の22カ所に拡大することで人口1億人をカバー。2010年には米国全土を網羅する」(マサド・オルファット氏)とモバイルWiMAXの事業計画について語った。

 マサド・オルファット氏は、「モバイルWiMAXが利用可能になれば、母親が仕事中に子供の様子を確認したり、離れた場所からオンライン医療を受けたりすることが可能になる。このほか、例えば不動産業界の営業マンが外出先で素早く物件情報を取り出せる」などのメリットを挙げ、数多くの有用なアプリケーションが登場してくるだろうと締めくくった。