日中韓の比較
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OSSモデルカリキュラムの例
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 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は10月26日,IPAが実施した「OSS技術教育のためのモデルカリキュラムに関する調査」の説明会を開催した。調査の結果,システムプログラミングやシステム管理,RDB,ネットワーク/サーバー管理の分野で,企業が求めるOSSのスキルと実際のギャップが大きいことが判明したとしており,OSS技術者育成のためのモデルカリキュラムの提言を行っている。

 「情報サービス業で働くIT技術者は約48万人だが,IPAの調査ではOSS利用技術者はそのうち約2割の9万3000人。絶対数が不足している」(IPA OSSセンター次長 杉原井康男氏)。IPAではOSS技術者育成のため,企業ニーズと現状を把握することを目的とし調査を実施した。

 調査は,2007年4月にユーザー企業1500社とSI事業者1350社を対象に行い,それぞれ214社と329社から回答を得た。ユーザー企業は約38%,SI事業者は約49社がOSSを利用していると回答した。ユーザー企業ではシステムプログラミングやシステム管理,SI事業者ではRDB,ネットワーク/サーバー管理の分野でニーズと実際のギャップが大きかった。

 また,中国と韓国のOSS技術教育も調査。中国では2005年で約45万人のソフトウエア人材が供給されており,調査した5大学・専門学校はいずれも幅広いOSS教育を実施していたという。また韓国では大学と専門学校合わせて年間約14万人のIT関連学科の卒業生がおり,うち約5万人がOSS関連講義を履修している。これに比べ「日本の電気通信工学関連卒業者数は年間約4万1000人に過ぎず,中国や韓国に比べかなり少ない」(IPA 杉原井氏)。

 IPAでは大学・先週学校におけるOSS技術教育の裾野を広げ,レベルを向上させる必要があると指摘。OSS技術教育拡充のために,ITスキル・スタンダードに基づくOSS技術者育成のためのモデルカリキュラムを作成。IPAのWebサイトで公開している。

◎関連リンク
OSS技術教育のためのモデルカリキュラムに関する調査(IPA)