写真●NTTドコモの中村維夫社長
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 NTTドコモが10月26日,2008年3月期の中間決算を発表した。同時に,販売奨励金を廃止する新しい販売モデルやNTTドコモ・グループの事業体制見直しも明らかにしている。

 NTTドコモの2008年3月期の中間決算は,売上高が前年同期と比べ2.4%減の2兆3251億円,営業利益が21.0%減の4085億円で,減収減益となった。割引サービスによる携帯電話収入の減少や,基地局数の増加,広告宣伝の前倒しなどによる営業費用の増加などが影響したという。

 また,通期の業績予想を見直し,売上高は当初予想の4兆7280億円から610億減の4兆6670億円へと下方修正した。新しい割引サービスの影響や,純増数の減少による携帯電話収入の影響を織り込んだという。ただ,営業利益の通期見通しは従来どおり7800億円のままである。

新販売モデルを11月発売の905iから適用

 同時に発表した新しい販売モデルの導入については,(1)バリューコースと,(2)ベーシックコースという,二つのメニューを用意する。2007年11月26日発売予定である「905iシリーズ」以降の端末からこれらの新販売モデルを適用するため,既存の機種は適用外となる。

 バリューコースは,販売奨励金を廃止し,割賦販売方式なども導入する販売モデル。端末の初期費用は高めだが,基本使用料を安くする。バリューコース用に「バリュープラン」と呼ぶ料金プランを設定し,従来プランから基本使用料を一律1680円値下げするもの。さらに端末購入時に,一括払いか分割払いをユーザーが選択できるようにしている。

 ベーシックコースは,基本使用料は従来どおりで,端末の初期費用を安くする販売モデル。これまでの販売モデルを基本的に踏襲したものである。2年間の利用を前提に,端末の初期購入価格を1万5750円を割引し,既存の料金プランを適用する。

 NTTドコモの中村維夫社長は,「バリューコースは携帯電話市場の成熟期に対応した新しい販売モデルだ。MNP(携帯電話の番号ポータビリティ)開始以来,厳しい状況が続いているが,バリューコースを主力に端末を販売し,ユーザーの純増などにつなげたい」とした(写真)。今後,新規ユーザーの約5割はバリューコースを選ぶようになると見込んでいるという。

 ドコモ・グループの事業運営体制の見直しについては2008年度の第2四半期をメドに,全国一社体制に移行することを発表している。具体的には,北海道や東北など地域ごとに存在する地域ドコモ8社を,NTTドコモに統合する。コール・センターや料金センターを集約するなどで,グループ経営の効率化,サービス品質の統一などを目指すという。

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