青空文庫は2007年10月26日、同Webサイトに収録されている作品約6500点を収めたDVD-ROM付き冊子を、全国の約8000の図書館に寄贈すると発表した。DVD-ROM付き冊子の名称は、「青空文庫 全 もう一つの読む自由」。文化作品の幅広い活用を促進するのが狙いだ。公共図書館および大学/短大/高専に付属する図書館3000カ所には10月末、高校の図書館5000カ所には11月20日ごろ届ける。

 青空文庫は、主に著作権の切れた小説や詩などを電子化し、インターネット上に公開している電子図書館。2007年で開設10周年を迎えることを記念し、今回の寄贈事業を企画した。

 DVD-ROMには、著作権が切れた作家と翻訳家407名による作品が収められている。付属の冊子では、DVD-ROMの使い方に加えて、寄贈企画の狙い、著作権保護期間の延長に反対する青空文庫の考え方などを説明。著作権保護期間を延長することで、デジタルアーカイブによって自由に公開できる作品が限定され、インターネット社会の可能性の一つがしぼんでしまう、といった訴えを盛り込んでいるという。