ケーブルテレビ(CATV)統括運営会社のジュピターテレコム(JCOM)は2007年10月26日,2007年度第1~第3四半期(2007年1~9月)の連結決算(米国会計基準)を発表した。売上高は1944億円と前年同期に比べて23%の増加,税引前純利益は272億円で同24%の増加となった(発表資料1)。また,通期の業績予想を見直し,売上高は2630億円から2645億円に,税引き前利益は310億円から350億円にそれぞれ上方修正した(発表資料2)。決算発表の場では,同社の森泉知行社長は今後の重要戦略について説明した。

 同社は規模の拡大による経営の効率化を進めており,その戦略の一環として,関西地区のCATV事業会社3社を2008年1月1日付で合併,統合する(発表資料3)。合併するのはジェイコム関西,ケーブルウエスト,北摂ケーブルネットの3社で,ジェイコム関西を存続会社とする。この合併によって,大阪府を中心に兵庫県,和歌山県の一府二県をエリアとする総加入世帯数約84万世帯の,日本最大のCATV事業会社が誕生する。隣接するサービスエリアを持つ3社を合併することによる,設備や営業・販売促進手法の共通化による経営の効率化が狙いである。さらに規模の拡大の一環として,京都ケーブルコミュニケーションズを連結子会社化する(発表資料4)。11月下旬に京都ケーブルコミュニケーションズの発行済み株式のうち46.64%を取得予定で,さらに株式を買い進め2008年1月末をめどに議決権過半数を取得し,連結子会社する予定である。

 コンテンツ強化策として,ジャパンケーブルネットやイッツ・コミュニケーションズといった複数のCATV事業者と共同出資して,新しくチャンネル会社を設立する(発表資料5)。新チャンネルの名前は「チャンネル銀河」で,24時間ハイビジョン放送のチャンネルとなる予定である。2007年11月に設立し,2008年4月から全国のケーブルテレビ局と110度CS放送「e2 by スカパー!」での放送開始を予定している。放送時間の約3分の1がNHKのアーカイブス番組で,そのほかに民放,BBCや米3大ネットワークで放送された名作番組と,自主制作番組を放送する。