写真●富士通が参考出展したワンセグ放送システム「スポットキャスト」
写真●富士通が参考出展したワンセグ放送システム「スポットキャスト」
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 富士通は、東京ビッグサイトで開催中の「IPコミュニケーション&モバイル 2007」で、「エリア限定」のワンセグ放送システムを参考出展している。微弱電波を使うことで、商業スポットや街頭などに受信エリアを限定して、動画コンテンツを一般ユーザーに配信できる。既に複数の企業から引き合いがあり、来年第1四半期をメドにシステムの商品化に踏み切りたいという。

 今回のワンセグ放送システム「スポットキャスト」(写真)は、小型の送信機や配信サーバー、コンテンツの制作・編集システムなどで構成。街頭などに置く送信機は、弁当箱大と小型だ。送信機はネットワーク経由で制御するほか、USBメモリに置いたコンテンツをスケジュールに従って配信するオフラインでの利用もできる。

 送信機は、地上デジタル放送との干渉を防ぐために、その地域で使われていない空きチャンネルを使って電波を送信する。このため、ユーザーには配信に使っているチャンネルを告知して、そのチャンネルに受信機を合わせて視聴してもらう必要がある。

 放送するチャンネルの告知には,一般にポスターなどを使う。一部の携帯電話機ではサーバーから受信チャンネルを制御する方法も取れる。モバイルFeliCaやQRバーコードなどを使って渡したURLによってサーバーにアクセスさせ、そのサーバーが受信チャンネルを制御する。

 動画コンテンツに加えて、地上デジタル放送の「BML(ブロードキャスト・マークアップ・ランゲージ)」形式で作成したデータコンテンツの配信機能も備えた。商業施設で利用するなら、施設の案内や商品情報を配信する用途に利用できる。また,サーバーを用意することでクーポン情報をBMLコンテンツで配信し、リンクをたどってアクセスしてきたユーザーにクーポンを発行するといった応用サービスも提供可能だ。

 富士通では、商業施設のほかイベント会場や観光施設、美術館や博物館などでの利用を見込んでいるという。