ナレッジサインの吉岡英幸代表取締役
ナレッジサインの吉岡英幸代表取締役
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 「オンライン会議は、すべての参加者が能動的にコミュニケーションに参加できる点が特徴。生産性を重視する場面ならオンライン会議は、リアルの会議より効果を上げられる」--。

 25日のセッション「徹底討論!リアル会議vsオンライン会議、事例をベースに有効活用への道を探る」では、会議コンサルティングを提供するナレッジサインの吉岡英幸代表取締役がこう指摘して、場面を考慮したオンライン会議の活用方法を説いた。

 リアル会議と比較した、オンライン会議の代表的な優位点は「距離・時間の制約が小さいので、会議開催の敷居が低い」ということ。加えて、吉岡氏は参加者が能動的にコミュニケーションに参加する点もオンライン会議の特徴だと指摘した。

 例えば、リアル会議だと、ほかの参加者の発言の聞き役に回る時間が長かったり、多くの時間を自分の発言の順番が回るまでの待ち時間に費やしたりするケースがある。共通のテーマで話し合う場合でも、アイデアをひねり出そうと「考えること」に長い時間を費やす。人によっては「居眠りの時間」になっているかもしれない。

 そこで吉岡氏は、パソコンなどを使ったオンライン会議で「自分が必要な出番だけ、会議での議論に参加すればよい」という活用方法を提案。生産性を重視する場面なら、オンライン会議が向くと指摘する。その点に着目すれば、オンライン会議は遠隔地を結ぶ会議開催に限らず活用するべきだという。逆に、みんなでよいアイデアを出し合うなど、創造性を重視するならリアル会議が向く場面もあるという。

 また、このセッションで吉岡氏と対談した日経ソリューションビジネス副編集長の大山繁樹は、オンライン会議を活用している企業の事例を紹介。役員会議で活用したり、社長訓示を全国の拠点に配信したりする事例が多い中、業務プロセスに組み込み生産性を高めている事例が出始めていると指摘した。

 例えば三井リースでは、本部の審査部に支店スタッフがビデオ会議を通じて決済を受ける案件の説明をするプロセスを設け、審査業務の効率化を実現しているという。