HA8000-es/RS210
HA8000-es/RS210
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 日立製作所は,PCサーバー製品のラインアップに,新たに省電力化をうたった「HA8000-esシリーズ」を追加し,10月25日に販売を開始した。12月10日に,ラックマウント型サーバー機3モデルを出荷する。esシリーズは標準モデル比で最大23%の省電力化を図ったという。価格は,1CPU構成で高さ1Uの「HA8000-es/RS110」が37万6950円から,2CPU構成で高さ1Uの「同RS210」が51万2400円から,2CPU構成で高さ2Uの「同RS220」が58万650円から。

 HA8000-esシリーズは,TDP(Thermal Design Power)を抑えた最新CPUの採用やファン回転数の制御,ノート型PCなどで使われる2.5インチ型のSAS(Serial Attached SCSI)ディスクの採用などの工夫によって,従来モデルと比較して省電力化を図ったPCサーバーである。同社の試験によれば,高さ2Uの従来モデル「HA8000/RS220」と比較したesシリーズ「HA8000-es/RS220」の消費電力を比べたところ,2個のCPU,6基のディスクを搭載した条件において,最大23%の省電力化が図れたとしている。

 特にCPUは,TDPが50ワットのクアッドコアXeon L5320(1.86GHz)を採用した。これに対して,従来モデルでは,TDP 80ワットのクアッドコアXeon E5345(2.33GHz)およびE5310(1.60GHz),TDP 80ワットのデュアルコアXeon 5160(3GHz)およびTDP 65ワットの5110(1.60GHz)を使っていた。esシリーズでは,従来と同等のCPU処理性能を,より消費電力を抑えて実現できるようになった。

 ディスクは,大きさ2.5インチ型のSASディスクを採用して,省電力化を図った。従来モデルでは,3.5インチ型のSASディスクまたはSATAディスクを使っていた。このほか,PCサーバーのきょう体内の温度に応じて各種空調ファンの回転数を動的に制御するようにして,ファンの回転に必要な電力を削減できるようにした。従来は常時一定の回転数で回転させていた。

 なお,日立製作所は9月27日,データセンターの消費電力を今後5年間で50%削減することを目標とした技術開発計画「CoolCenter50」を発表済み。省電力技術の実証の場として,消費電力を50%削減可能な新データセンターを建設することを明らかにしている。省電力化を狙った今回のesシリーズも,他の要素と同様にCoolCenter50に適用していくという。