写真1●富士通が出展する「手のひら静脈認証機能付きマウス」
写真1●富士通が出展する「手のひら静脈認証機能付きマウス」
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写真2●手のひらの位置がずれていても静脈を認識
写真2●手のひらの位置がずれていても静脈を認識
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 富士通は,東京ビッグサイトで開催中の「Security Solution 2007」で,手のひら静脈認証機能付きマウスを出展している(写真1)。同社によると,マウスに組み込まれた手のひら静脈認証デバイスは世界初だという。従来のデバイスに比べて静脈認識精度も向上させた。

 このマウスは,手のひらの位置がずれていても,静脈を認識できるようにしてある(写真2)。従来の専用デバイスでは認証精度を向上させるため,手のひらの位置を固定する「ガイド」と呼ばれる補助器具が必要だった。今回の新デバイスは,認識エンジンを一新して認識精度を向上させることで,ずれに対応した。

 「金融業などの強固なセキュリティを求める企業だけでなく,流通業やサービス業などの企業にも,生体認証のニーズはある」(富士通)という。出退勤システムなどと連携させ,従業員の勤怠管理に利用したいという要望が多いという。「認証デバイスのスペースを節約できる点や,指紋のように表皮の状態に左右されず認証できる点が評価されている」(富士通)。

 富士通は,手のひら静脈認証機能付きマウスを認証アプリケーションと組み合わせ,「手のひら静脈認証PCログインキット」として9月から出荷している。価格はオープン。ただし,「マウスは3万円程度」(富士通)と,専用デバイスよりも価格が高い。