セキュリティベンダーの英ソフォスは2007年10月24日(現地時間)、同社ラボが観測した迷惑メール(スパム)の数を基に、2007年第3四半期(7月から9月)の「スパム送信国(中継国)ワースト12」を発表した。それによると、迷惑メールの28.4%は米国に存在するコンピューターを経由。それらの多くは、ウイルスに感染して攻撃者に乗っ取られているパソコンであるという。
今回発表された「スパム送信国ワースト12」は以下の通り。ワースト1は米国(カッコ内は全体に占める割合)。
- 米国(28.4%)
- 韓国(5.2%)
- 中国(4.9%)
- ロシア(4.4%)
- ブラジル(3.7%)
- フランス(3.6%)
- ドイツ(3.4%)
- トルコ(3.2%)
- ポーランド(2.7%)
- 英国(2.4%)
- ルーマニア(2.3%)
- メキシコ(1.9%)
2007年第2四半期(4月から6月)の調査でもワースト1は米国だったが、そのときの割合は19.6%。第3四半期に急増していることが分かる。
また、大陸別で見た迷惑メールの送信状況は以下の通り。
- 北米(32.3%)
- アジア(31.1%)
- 欧州(24.8%)
- 南米(9.1%)
- アフリカ(2.1%)
2007年第3四半期の特徴として同社では、ウイルスに感染させるようなWebサイトへ誘導する迷惑メールが増えたことを挙げる。2007年8月以降、ウイルスが置かれたサイトを、グリーティングカードや動画などのダウンロードサイトに見せかける迷惑メールが急増。グリーティングカードのサイトに見せかける迷惑メールは、2007年8月中旬のある48時間中に、およそ900万通送られたことを確認したという。
PDFファイルを添付した「PDFスパム」の増加と急減も、2007年第3四半期の特徴。2007年6月に出現したPDFスパムは増加を続け、2007年8月初旬には全迷惑メールの3割程度を占める至った。しかしながら、その直後に急激に減少し、短期間のうちにほとんど確認されなくなったという。理由として同社では、PDFスパムは効果が小さかっためではないかと推測している。