写真1●テレビを持ち込みハイビジョン映像配信サービスを実演するアクトビラ」の久松龍一郎副社長
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写真2●アクトビラの将来
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 「地上デジタルテレビ放送への完全移行が予定されている2011年には,デジタルテレビの普及目標台数1億台のうち7割をアクトビラ対応にしたい」。デジタルテレビ向けのポータルサイトを運営するアクトビラの久松龍一郎副社長は,「IPコミュニケーション&モバイル 2007」のIPTVトラック講演で,こう目標を掲げた。

 久松副社長は,講演会場に松下電器産業のプラズマ・ハイビジョンテレビ「ビエラ」の最新機種「PZ-750SK」を持ち込み,2007年9月1日に開始したハイビジョン映像配信サービスを実際に映して見せた。会場にある電源ケーブルとイーサーネット・ケーブルをテレビにつなぐだけで,面倒な手続きなしにフルハイビジョン映像を楽しめる様子に,講演会場は立ち見が出るほどの盛況となった。

 アクトビラ対応機種を7000万台まで普及させる根拠として久松副社長は,「デジタルテレビ情報化研究会」が技術仕様を公開していることを挙げた。技術仕様を参照すれば,アクトビラに出資する主要メーカー以外でも対応機種を開発できるという。さらに,ビデオサービスを視聴するために必要なMPEG-2やH.264といった映像コーデックが,地上デジタル放送,CSデジタル放送と共通であることを挙げる。共通だから,追加コストをほとんどかけずに既存のテレビをアクトビラ ビデオ対応機に改良できるとする。

 講演では,アクトビラの利用のしやすさも強くアピールした。プロバイダや回線の種類を問わず,入会手続きや入会金も不要であるため,ブロードバンドに買ってきたテレビを接続するだけですぐに利用開始できる。このため,ユーザー層はインターネットよりも高年齢層に寄っているという。

 現時点でアクトビラを一回でも利用したことのあるユーザーは累計20万件で,独自のユーザー調査では平均年齢は42歳,最高年齢は89歳という結果が出たという。こうしたサービスはほかにはなく,独自の広告媒体としての価値も模索中だという。テレビCMと画像,テキストを組み合わせた広告コンテンツを試験的に配信し,ユーザーの反響などを検証中だとした。