写真1●さまざまなシン・クライアント・ソリューションを披露している「シン・クライアント・ホットステージ」
写真1●さまざまなシン・クライアント・ソリューションを披露している「シン・クライアント・ホットステージ」
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●日立製作所はウィルコムの携帯端末「W-ZERO3」をシン・クライアント端末として利用
写真2●日立製作所はウィルコムの携帯端末「W-ZERO3」をシン・クライアント端末として利用
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●東芝の「FlexClient」システムはストレージ・システムと既存のパソコンを組み合わせてシン・クライアント環境を実現
写真3●東芝の「FlexClient」システムはストレージ・システムと既存のパソコンを組み合わせてシン・クライアント環境を実現
[画像のクリックで拡大表示]

 10月24日から東京ビッグサイトで開催されている「Security Solution 2007」の一角では,「シン・クライアント・ホットステージ」と題して,参加企業各社のシン・クライアント・ソリューションをまとめて紹介している(写真1)。実機の展示,デモなどからシン・クライアントの最新事情を見渡すことが可能だ。

 サン・マイクロシステムズの「Sun Ray」システムや,ブレードPCを組み合わせた日本ヒューレット・パッカードのシステムなど,シン・クライアント専用端末を使うタイプ。このほか,パソコンや携帯電話など既存の機器に専用クライアント・ソフトをインストールして,シン・クライアント化するタイプのソリューションが並んでいる。

 例えば日立製作所では,ウィルコムの携帯端末「W-ZERO3」をシン・クライアント端末として利用するというデモを紹介している(写真2)。アプリケーションはサーバー上で動作させ,各ユーザーのデスクトップのイメージを,VPNを使ってW-ZERO3に転送するしくみだ。サーバー側にはシトリックス・システムズ・ジャパンの「Ctrix Presentation Server」を利用。W-ZERO3側には専用クライアント・ソフトをインストールする。

 ただし,専用端末を使わないソリューションの場合,パソコンや携帯電話のローカルにデータを保存することが可能となる。そのため,別途ローカルに保存するデータの制限や暗号化を実現するソフトウエアなどを,シン・クライアントとあわせて提供する企業が多いようだ。

 また,東芝の「FlexClient」システム(写真3)では,企業のネットワーク上に用意したiSCSIベースのストレージ・システムと既存のパソコンを組み合わせてシン・クライアント環境を実現する。各ユーザーのOSやアプリケーションなどはすべてストレージ・システム上で動作。クライアント側には専用ソフトをインストールしたパソコンを使う。

 パソコンが社内のシステムに接続されているのか,社外でオフライン状態にあるのかを専用ソフトが判断。社内で利用しているときは,ローカルのハードディスクにはアクセスを許さず,ストレージ・システム上からOSをネットワーク・ブートする。一方,社外でオフライン利用する場合は,パソコンのローカルの専用領域に保存したデータにリード・オンリーでアクセスできる。この専用領域に保存できるデータは,社内の管理者があらかじめ許可を与えて暗号化したもののみ。保存データは,社内の管理サーバーにも自動的に記録され,パソコンの紛失時にも流出データの特定がしやすいしくみだ。

 シン・クライアント・ホットステージへの参加企業はNEC,NTTアイティ,NTTネオメイト,クオリカ,サン・マイクロシステムズ,ソフトイーサ,2Xアルファ・ソリューションズ,東芝ソリューション,日本ヒューレット・パッカード,ネクサンティス/三技協/TCBテクノロジーズ,ネットワールド,日立製作所,富士通,ユーグリッド,ワイズテクノロジーなど。ブースの傍らでは各企業による講演なども実施されている。