写真1●ナレッジサインの吉岡英幸社長
写真1●ナレッジサインの吉岡英幸社長
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 「会議のすべてを会議室の中で行う必要はない」。こう語るのは、IT業界を対象にした営業コンサルティングなどを手がけるナレッジサイン(東京都中央区)の吉岡英幸社長だ。24日に開幕した「ビジュアルコミュニケーション 2007」の基調講演で、会議室に集まって話し合う「リアル会議」と比較しながら、テレビ会議システムなどを利用したオンライン会議の活用法を説明した。

 ナレッジサインは、会議の運営を効率化するための「ファシリテーション」と呼ばれる技術を、営業担当者向けにコンサルティングサービスとして提供している。吉岡氏はその経験から会議における参加者の振る舞いを、対話をしたり他の発言者の話に傾聴する「能動的コミュニケーション」、他の発言者が視界に入ったり発言が耳に入ってきたりする「受動的コミュニケーション」、一人で黙考する「思考」の3つにパターン化できると分析。吉岡氏によれば、リアル会議ではこれらのパターンが混在するためにコミュニケーションの効率が落ちると語った。

 一方、オンライン会議では参加者全員が能動的に参加せざるを得なくなるために無駄な会話などがなくなり、会議の効率が上がるという。こうしたことから、オンライン会議はリアル会議を置き換えるものではなく、能動的なコミュニケーションを促すツールとして活用すべきと説いた。

 また同氏は「会議には情報共有、アイデア抽出、合意形成の3つの目的があるが、すべてをリアル会議に詰め込むと、だらだらと無駄な時間ばかり増えてしまう」と指摘。リアル会議を「アイデア抽出や合意形成を軸にしたプロジェクト」と捉え、事前の情報共有などの作業については「わざわざ会議室に集まらずとも、オンライン会議で十分カバーできる」と、2種類の会議を使い分けるポイントを語った。