米Oracleは,米BEA Systemsの役員会宛てに書簡を送付し,同社の買収提案に早急に返答するよう促したことを,米国時間10月23日に明らかにした。OracleのBEAに対する株式公開買付(TOB)は10月28日午後5時(米太平洋夏時間)を期限とする。

 Oracleは10月9日に,BEAの株式を買い取る提案をBEA役員会に対して書簡で通知した。買収金額は1株当たり17ドルで,買収総額は67億ドルにのぼる(関連記事:米オラクル、約7800億円超で米BEAシステムズ買収を提案)。これに対しBEAは「当社はOracleにとっても他社にとっても,また当社の株主にとっても,Oracleが示した価格よりも,はるかに価値がある」として,買収案を拒否する回答を10月11日付で送った。また,OracleがBEAの直接の競合社であるため,「長期にわたり制約のないかたちで進められるいかなるプロセスも考慮に入れることはできない。競争的な機密情報を漏らすことになり,それは当社のビジネスおよび株主利益の両方に著しい損害を与える」ことを指摘した(関連記事:米BEAシステムズ、米オラクルの買収提案を拒否)。

 Oracleはこの回答を受け,BEAと連絡を取り,「BEAが示していた懸念について解決するために,“短い期間で,制約のないかたちではなく,競争的な機密情報を漏らさずに”手続きを進めることで合意した」(Oracle)。しかしOracleによると,最終合意を視野に入れたプロセスを始めるために10月12日午前10時にBEA経営陣と会う予定だったが,BEA経営陣がこれをキャンセルした。BEA経営陣はミーティングの日程を再調整する意向をみせなかったが,Oracleは「当社は今でも,友好的取引につながるプロセスにただちに直ちに取りかかることができる」として,交渉に応じるよう引き続き要請する書簡を10月12日付けで送った(関連記事:BEAが交渉をドタキャン,「友好的取引に向けて話し合う用意がある」とOracle)。

 Oracleは今回送った書簡の中で,「17ドルは,買収提案を通知する前日の株価より21%高く,それまでの52週間の平均株価に31.5%のプレミアを乗せた金額。これより寛大な提示額はない」と述べた。また,交渉を長引かせるつもりはなく,BEA役員会が期限までに提案を受け入れない場合は,買収提案を取り下げると通達した。

 一方BEAはこの書簡に対する返答を同日公開し,あらためてOracleの提案を拒否する姿勢を明確にした。「当社は単に,当社をひどく過小評価する提案を受け入れることができないだけだ。もしOracleが本気で当社を買収したいなら,正当な価格を提示できるはずである」(BEA)。

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[発表資料(BEAのプレス・リリース)]