現行モデルは5月発売の夏モデルであり、在庫限りで販売を終了するのは事実
現行モデルは5月発売の夏モデルであり、在庫限りで販売を終了するのは事実
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 日立製作所は2007年10月23日、「パソコン生産から完全に撤退」との一部報道に対し、「パソコン事業そのものから撤退することは決定していない」(広報担当者)とのコメントを発表した。一方で、家庭向けパソコンPriusシリーズの現行モデルは、生産を既に完了していることは認めた。家庭向けパソコン事業が、経営上の重要な検討課題となっており、来年以降、新モデルを開発するかどうかついて社内協議を進めているという。パソコン事業の未来像が描けなければ、近い将来撤退の可能性も考えられるが、「その場合でも、パソコンの開発で培った技術はAV機器事業で生かす方針」とした。現在日立では、パソコン事業と薄型テレビなどAV機器事業は、同じコンシューマ事業グループが統括している。Priusブランドを存続させ、テレビとパソコンを融合させた全く新しい家庭向けの製品が今後登場する可能性がある。

 パソコン業界では、春モデル、夏モデル、秋冬モデルと年3回家庭向けの新製品を発売するのが慣行。日立は5月に夏モデルを発売したものの、秋冬モデルの開発を凍結し、9月に発売を見送ったという経緯がある。現行モデルは、5月に発売した夏モデル。「在庫がある限り現行モデルの販売は当面続け、既存ユーザーへのサポートも従来通り弊社が続ける」としている。

 同社は企業向けパソコンとして「FLORA」シリーズも手がけているが、こちらは3月に、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)からOEM(相手先ブランドによる生産)で調達すると発表。7月に発売した新モデルから、日本HP製に切り替えている。