日本IBMと三洋電機は10月23日,データセンター向けの省エネ型空調設備を共同開発したと発表した。従来型の空調機に比べ,約50%の消費電力を抑えられるという。販売および導入支援サービスは,「IBM Refrigeration Rear Door Heat eXchanger」として日本IBMが担当する。
今回開発した空調設備は,空調機などに内蔵される熱交換器をサーバー・ラックの背面ドアに直接取り付ける方式を採る。サーバー・ルーム全体を冷やす従来型と同等の冷却性能を維持しながら,省エネを実現するというもの(写真1)。ラックは日本IBM製に限定される。
冷却方式には,熱搬送能力が高い新冷媒「R410A」を採用。冷却水を使用しないため,信頼性向上にもつながる。冷媒をラックの背面ドアに取り付けるという今回の試みは世界初。室外機は三洋電機がビル向けに開発した製品を流用。熱交換器は今回新たに開発した。
熱交換器1台で対応できる消費電力量は最大15kW。室外機1台で3ラック分の熱交換器を制御できる。冷媒配管長は最大150メートルで,熱交換器と室外機の高低差は約50メートルまで対応。大型のデータセンターにも適用できるという。
価格はサーバー・ラック3台の場合,約1800万円。室外機や工事費なども含まれる。注文から納入までには約2カ月半を要する。