日立製作所は個人向けパソコン「Prius」の生産を7月末で停止していたことを明らかにした。同社は今春、ビジネス向けパソコンの「FLORA」を自社での生産からOEM(相手先ブランドによる生産)に切り替えており、日立はパソコンの自社開発と生産から撤退したこととなる。
日立は企業内での需要があるFLORAについては米ヒューレット・パッカード(HP)からのOEMに切り替えたが、今回のPriusは他社からのOEM調達は予定していない。Priusは今夏モデルを最後に、秋・冬モデルは投入しなかった。
一方、FLORAブランドで、本体にハード・ディスクを装着しない「セキュリティPC」については、開発・生産を今後も続けていく。セキュリティ意識の高い企業において需要が高まるシン・クライアント用の端末として、同社のブレード・サーバーとセットで売り込む戦略製品に位置づけている。
パソコンの最終組み立ては、豊川工場(愛知県)で行っていた。これに携わる人員は、同工場でPCサーバーやATM(現金自動預け払い機)、そしてセキュリティPCの生産に振り向ける。また、パソコン事業で蓄積したノウハウは、薄型テレビや次世代のネットワーク・サービス関連の端末で生かしていくという。